フォーラム趣旨
2015年に、日本における固体物質・材料研究の推進とコミュニティ形成を目的として「固体化学フォーラム(Solid State Chemistry Forum)」が結成されました。その趣旨は、固体化学、無機化学、錯体化学、材料科学の各分野の研究者が意見交換や情報共有をする場を提供すると共に、物性物理、理論化学、物理、計算化学、さらには放射光や中性子などの大型評価施設や産業応用などの分野との接点を作り、将来に向けて固体物質・材料研究の新たな潮流を生み出していくことにあります。特に若手研究者が異分野の研究に接する機会を増やし、研究の新たなブレークスルーを産み出す原動力になることを期待しています。
固体化学フォーラム研究会は第1回が東大物性研(2016年6月)にて行われ、その後東北大金研(2017年6月)、京大化研(2018年6月)、分子研(2019年6)と回を重ねました。第5回研究会は、昨年6月に阪大基礎工にて開催される予定となっておりましたが、新型コロナの影響により1年間の延期となり、今回改めてオンラインで開催する運びとなりました。尚、今回は固体化学業界で長年待ち望まれていたJohn B. Goodenough教授のノーベル化学賞受賞を記念し、特別セッション(電池材料研究の現在・過去・未来)を設けています。Goodenough先生はLiイオン電池だけでなく、磁性をはじめとした物性物理の研究において、理論・実験の両面から数多くの顕著な成果を上げて来られました。本研究会においても、オンラインの利点を活かして幅広い分野の研究者にご参加頂き、活発な議論を通じて新たなインスピレーションやコラボレーションが生まれることを期待しています。
提案者:
東北大学金属材料研究所・教授 宮坂 等
東京大学物性研究所・教授 廣井 善二
東京工業大学科学技術創成研究院・教授 菅野 了次
京都大学大学院工学研究科・教授 陰山 洋
京都大学大学院理学研究科・教授 北川 宏
京都大学化学研究所・教授 島川 祐一
京都大学・名誉教授 高野 幹夫